2005/02/17 | VQSコラボの音声チューニング |  | by:落伍弟子 |
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テレビ会議システムは、結構チューニングが必要です。
「しなくても簡単に使える」というのは、「できないなら、すぐに化けの皮がはがれる」ということです。
さてVQSコラボですが、きれいな音声通話のためにはいくつかのコツがあります。
■コツ1: 「マイクブースト」機能は使用しない
内蔵音源で、マイク入力の「トーン調整」ボタンを押すと
Mic Boost
というチェックボックスがあって、これにチェックを入れるとマイクの感度が上ります。
これは感度が上るのではなくて、入力信号を増幅しているだけです。これが良くないのは、ノイズも増幅することです。
VQSコラボでは、音声と映像の同期を取るために、不必要な音声データをカットしているようです。具体的に言うと、「無音」データをカットするわけです。
ところが「無音データ」が無いと、仕方なく音声データを間引かざるを得なくなるわけです。
ずーっと音声が続くと、ときどき無音のところが発生してしまいます。これは音声・映像の同期のために仕方がないようです。
しかし、しゃべりっぱなしでも「息継ぎ」はするわけで、ここで「無音」が発生します。この「息継ぎ」のときに「無音」だと、音声の途切れは発生しません。
ところが、マイクブースト機能が有効だとノイズがかなりの音量で入力信号として送信されるため、カット機能が働きません。
というわけで、雑音を減らすことが快適な会話環境への第1歩なのです。
■コツ2:雑音を減らすと、音声遅延も減ります
コツ1で説明したように、雑音を減らすのがとても大事です。
実は、雑音は音声遅延の原因にもなっているのです。
VQSコラボの音声遅延は1秒未満になるように設計されているそうです。
ところが、音声データが多い(雑音がつねに入っている、マイク音量が大きすぎる)とデータ送信に時間がかかるため、音声の遅延が発生します。 音声遅延が1秒を超えて2秒近い場合は、
・録音コントロールで
-マイクの録音レベルを下げる
-マイクブースト機能が有効なら、無効にする
・ヘッドセットを使い、マイクを口元に持ってくる
など工夫してみてください。
■コツ3:プロバイダによるデータ転送能力不足
会話していて、「相手の音声がブツブツ切れる」ことがあります。
この原因として、契約しているプロバイダの「データ転送能力が不安定」という場合があります。
これが原因かどうかは、以下の方法でわかります。
1)WindowsXPを使っている場合、タスクバーで右クリックします。
2)メニューから「タスクマネージャ」を選択します。
3)「ネットワーク」タグをクリックします。
4)「表示」メニューの「ネットワークアダプタの履歴」で、
送信バイト数(赤)
受信バイト数(黄)
にチェックを入れます
これで、しばらく会話をしていると、赤色、黄色の線が細かいぎざぎざ線で、ほぼ真横の線になっていれば、プロバイダの通信能力は安定しているということです。
しかし、黄色の線がガクンと下がるようなことがあれば、それはプロバイダのトラフィックが安定していない可能性が高いです。
自分の契約しているプロバイダが原因なのか、相手が契約しているプロバイダが原因なのか、はたまたルームサーバを設置している場所のプロバイダが原因なのかは、いろいろ組み合わせて実験してみるとわかります。
追記
雑音はどこで発生しているのかを突き止めるのには、けっこうな労力が必要です。
ACアダプタだったりしますし、ケーブルの曲げ方を変えるだけでノイズが減ることもあります。