世間ではワールドカップということで、テレビはそっちばかり中継しているけれど、はやぶさの帰還はインターネットで中継してました。
リアルではおきゅうどさんたちのUstreamがとぎれとぎれになるくらいのアクセス集中でしたが、それの録画が公開されています。
録画の3分からが帰還の映像です。
hayabusa re-entry http://www.ustream.tv/recorded/7634995すごく明るく光っています。
私が中継でみたのは3分33秒あたりの燃えつきかけの赤い光だけでした^_^;
でも、この録画は非常に鮮明。和歌山大学に行けば、360度パノラマで見られるんでしょうかねぇ。
【追記】
Ustreamやニコニコ動画で数十万のアクセスがあったにもかかわらず、テレビでは一切中継していないです。地上波デジタルではハイビジョン1チャンネル分で、標準画質なら2~3番組を同時に放送できる(マルチ編成)のだから、はやぶさの帰還特番ぐらいすればいいのに。
JAXAの管制室とか、Ustreamの中継をリピート放映するくらい、放送局なら「技術的には」簡単でしょう。理科離れがどうのこうのといっているにもかかわらず、日本が世界に誇れる技術成果を放送しないというのはなにかあるのかと、へんにかんぐってしまいました。
【追記の追記】
津田大介さんが
はやぶさの帰還を生でテレビで見られなくて文句言ってる人は何で文句言ってるの? ニコ生やらUstやらで見られてるんだからネットの“大勝利”じゃないの?
とつぶやいておられますが、そのとおりで、それにつづく
いやでも普通にはやぶさ帰還って多くの(テレビを毎日見てるような)日本人にとって生中継するほどの興味がある対象じゃなかったから生放送されてないってシンプルな話なんじゃないのかね……。
というのは、テレビが「報道」ではなく「娯楽」に特化したということを示していると思うわけです。
つまり、「テレビはネットとは違う媒体であり、視聴者の見たい番組を放送するとは限らない」ことを再認識したわけです。せっかくのマルチ編成機能も役に立たないみたいだし(ーー;)。
BBCはうまくまとめてます。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science_and_environment/10285973.stm また、0:50のBSニュースではきれいに空中分解しているはやぶさの映像が放映されました。
【追記3】
NHK_PRのつぶやき
1:29am, Jun 14 from HootSuite
お待たせいたしました。NHKニュースサイトに「はやぶさ」の動画がアップされました。http://bit.ly/dvoja4
【追記4】
NASAのビデオはAVIファイルですがWMPではなくQuicktimeで再生できます。
HAYABUSA RE-ENTRY
http://airborne.seti.org/hayabusa/index.html
Click here for post-event video [around 13:55 - 15:00 UTC = 9:55 - 11:00 a.m. EDT]
http://archive.nserc.und.edu/~kml/HayabusaRentryVideo.aviYouTubeにはいろいろおもしろいビデオがあるんですね。
探査機はやぶさにおける、日本技術者の変態力‐ニコニコ動画より転載
http://www.youtube.com/watch?v=6kZbeAK-vBE http://www.youtube.com/watch?v=nDbc3AcBHIM http://www.youtube.com/watch?v=nDbc3AcBHIM●ニコニコ動画
探査機はやぶさにおける、日本技術者の変態力
そもそも「はやぶさ」ってマイナーですから。
うちの息子が学校で「いよいよ今日だな」と話しかけられて「あぁ、はやぶさカプセル再突入?」と答えたら、「何いってんだ? ワールドカップ」と言われたそうです。
mixiのコメント数も、「はやぶさカプセル回収」よりも「カメルーン戦勝利」の方が遙かにたくさんついていましたし。要するに世間の大部分の人は「はやぶさ」に興味がないし、最近興味を持った人の多くは浪花節的な苦労話にしか興味がないということで。
浪花節でもいいじゃないですか。1人でも「まっとうな」技術者に成長できれば。いや技術者にならなくても、技術者(まじめに仕事をするひとといいかえてもいいです)を小ばかにするような輩がひとりでも減るだけでいいと思います。
それとは別にして、サッカーはサッカーで守りに入るのではなく、最後まで攻撃的だったし。
京都では地デジ放送で最後のインタビューの音声が放送されませんでした。周囲の音がはいっていたので、放送する音声チャネルを間違えてたみたい。アナログ放送ではインタビュー音声が放送されてました。
まっとうな技術者というのは、プロジェクトに火がついてから超人的なワザで何とか3年遅れで仕上げる人ではなく、最初から火がつかないように計画して、予定通りに粛々と終わらせる人だと思うので、その感想はとっても違和感あります。たとえば三菱東京UFJのシステム統合なんかは、後者の例として地味に日経コンピュータあたりが特集くんでいましたね。、
すごい!感動した! では、「感動をありがとう」で終わっちゃいます。トラブルの原因をつぶして実地テストしないと、要素技術を売るにしても困るから、はやぶさ2に予算つけてくださいという話に持って行かないとね。
わたしは、「探査機はやぶさにおける、日本技術者の変態力」を、「そういうこともあろうかと」という、いろんな障害を想定しての対策を組み込んであったというストーリーとしてみてたのですが、ちがうのかな。
三菱東京UFJの話は見てないですが、三菱東京の統合の話はBP社の単行本の一章をしめてましたね。システム担当経験者が取締役だったかで、システムの重要性を理解してたとか。
そもそもフライホイールが死んだり、着地に失敗して燃料漏れその他で通信が途絶えたり電池が放電しちゃったり、帰還までに時間がかかりすぎたりしてイオンエンジンの設計運用時間を越えたりしなければ変態力が表に出てくることはなかったはずです。
いろいろ機器トラブルが生じたから「こんなこともあろうかと」の仕込み技を使わないといけなかったわけですが、ホントにこんなこともあろうかと思ってたなら、最初から「こんなこと」が起きないような設計にしておけよと思うわけです。
初物だからわかんないことがいっぱいあったというのであれば、その失敗は失敗として認めてフィードバックしなければ技術が進歩しません。変態力でカバーすればいいやというのは悪しき精神主義。
>その失敗は失敗として認めてフィードバックしなければ技術が進歩しません
だから、その「失敗という大きな知識」と「運用ノウハウ」をベースに「変態力が不要な宇宙技術」を継承するために「はやぶさ2」プロジェクトが必要なんでしょう?
それには、やっぱり職業として選択してもらわないと。衛星技術はダサイといわれちゃだめですよね。
変態力でカバーできるから予算削減されちゃたまりませんよね。はやぶさ2プロジェクトがスタートできないのは、各ブログを見てると、事業仕分けとか前政権の予算削減政策が原因じゃないみたいな情報がでてるし。「そういう職場にはいきたくない」と言われると何ともやりきれないです。大会社ってそういう派閥があって当然なんですけどね。
変態力を持ち上げるってことは、はやぶさは大成功だった、日本の宇宙技術はヤマト魂の変態力でカバーすればいいから金は要りません。という展開に簡単に結びつきます。だから変態力なんか持ち上げちゃダメで、ちゃんと「プロジェクトとしては必ずしも成功していません」と評価しないと。
う~ ん。まがりりなりにも「大成功した」という「評判」がなければ、予算査定では減額されるんじゃないでしょうか? とりあえず今回は「ラッキー」だったからミッションを成功させたとだけ評価してもらうと、だれがやってもなんとかなるだろうから「技術の伝承は不要でしょ」となるんじゃないですか? 「失敗した」ということなら、その失敗の原因を知っている人は更迭されて、失敗の経験を生かすことができなくなるのじゃないかなと思ったり。 企業なら経営者がきちんとしてればそんなことはないでしょうが、役所ですから天下りしてきた上の人が「失敗した奴なんかに任せるな」という古い判断をするんじゃないかと思ったりするわけです。
ようするに、モノづくりとその運用の両方の経験をどのようにしたら引き継げるのかという話で、そのためにはプロジェクトは「大成功した」というほうがよいのか、「ラッキーだっただけ」というほうがよいのか。ほとんど政治的な話になっちゃいますけどね。