教育ネットワーク情報セキュリティ推進委員会と「5つのなぜ」(2007年12月20日)
http://ymiwa.exblog.jp/7843856/にも書いていますが
「なぜ」を5回繰り返すと,問題の本質が見えてくるという話は、このブログの右カラム「ライフログ」にある
で読んでいました。
●なぜを5回 (リック・ロス) 101ページ
またこれに関連して「逆効果の応急措置」というのもあります。
●原型1:〈逆効果の応急措置) (ダニエル・キム、マイケル・グッドマン、シャーロット・ロバーツ、ジェニファー・ケムニー) 115ページ
この本自体が日本の企業文化を米国が研究したピーター・センゲ先生の研究成果のワークブックであることは知っていましたが、「なぜなぜ5回」がトヨタの「カイゼン」文化そのものだとまでは知りませんでした。検索したらいっぱい出てます。
なぜなぜ5回:ビジネス用語辞典 | Wisdom
http://www.blwisdom.com/word/key/100680.html記者の眼:ITpro
トヨタ流が「なぜなぜ5回」なら、リコー流は「TTY」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20060320/232843/コンサルの極意--問題解決力を鍛える
第4回 問題の構造分析--因果関係図で構造を把握,「なぜなぜ5回」で真因つかむ
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070226/263272/再発防止となぜなぜ5回
http://www.mmjp.or.jp/mzkodrsk/know/lect/doc/whywhy.htmlSCM超ルール
http://www.bizdyn.jp/report/scm07/scm07_018.html・・・・
けれど、最近本当に怖いのは「なぜを5回」ではなく、「逆効果の応急措置」で解決したと思い込むことだと感じています。
自分では「なぜを5回」で対策をとったつもりでも、実は「逆効果の応急措置」だったのではないか、と反省することがときどきあります。
115ぺージの例はこのようなものです。
機械のことをまったく知らない人が、「軋んでいる車輪があるから,いますぐ油をもってこい」といわれた。慌てた彼は誤って水の入った缶をつかみ車輪にかけてしまった。すると、軋む音は消えたので彼はほっと胸をなでおろした。しかし、そのうちに、前よりもひどい軋み音が聞こえるようになった。そこで、また水の入った缶をかけると軋み音は消えた。なぜなら前回はそれでうまくいったから。
そして彼はそこらじゅうの車輪に水をかけて忙しく働きまわるかも知れない。しかしそのうちにいくつかの車輪からは軋む音がまった聞こえなくなるだろう。問題が消えたからではなく、錆で車輪が動かなくなったために・・・
そして116ページに簡単にうまくまとめられています。
この「逆効果の応急措置」の原型で大事なポイントは、ほとんどすべての意思決定には短期的結果と長期的結果の両方が伴い、しばしばその2つはまったく逆の働きをするということである。
(略)
しかし実際は、応急措置の「意図せぬ結果」(拡張プロセスの悪循環)が、自分たちが手を打とうとしている問題状況をさらに悪化させることになる。
わたしたちは教育の情報化のために先生からの質問に答えたり、機器やシステムの維持管理をしているわけですが、それが本当に「長期的結果の最善策なのか」の答えはでていません。ひょっとしたら「車輪に水をかけているのではないか」、とおもったりすることもあります。
なぜなら、数十年かかっても校務の情報化とか、ICTを活用して授業ができる先生がなかなか増えないとかの現実がありますから。