■朝日新聞 2010年7月31日
幼稚園出身の子の正答率、高い傾向 全国学力調査
http://www.asahi.com/national/update/0731/TKY201007300598.htmlをみて
締めの言葉がこれならタイトルをもっとひねらないと。『「データがひとり歩きすると、近所に幼稚園がなかったり、働いていたりして通わせられない保護者の動揺を招きかねない」として、さらに分析を進める必要性を指摘する』 http://ow.ly/2j8Ld
なんてつぶやいたら、早速奥村先生がブログに書いておられました。
■またもや相関関係と因果関係が混同されている
http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/blog/node/2553元データを探したら,国立教育政策研究所の「平成22年度 全国学力・学習状況調査 結果概要・集計結果」についてというページの最初のPDFのp.18にあった。基線が0でない棒グラフだ。
元データとして紹介されているのはコレです。
国立教育政策研究所の「平成22年度 全国学力・学習状況調査 結果概要・集計結果」について
http://www.nier.go.jp/10chousakekka/index.htm 1 平成22年度 全国学力・学習状況調査 調査結果のポイント (PDF:1,126KB)
http://www.nier.go.jp/10chousakekka/0726CD_data/22_chousakekka_point.pdfの18ページです。
しかし、どういう意図で調査したのかなと思ってほかのPDFも見てみました。
2 平成22年度 全国学力・学習状況調査【 小学校 】結果概要
1.調査の概要(PDF:331KB)
http://www.nier.go.jp/10chousakekka/0726CD_data/shou_kekka/22_shou_kekkagaiyou_1_chousanogaiyou.pdf3 平成22年度 全国学力・学習状況調査【 中学校 】結果概要
1 調査の概要(PDF:328KB)
http://www.nier.go.jp/10chousakekka/0726CD_data/chuu_kekka/22_chuu_kekkagaiyou_1_chousanogaiyou.pdfどちらも、 (6)調査結果の解釈等に関する留意事項(3ページ)に
相関関係の見られたものを掲載しているが,必ずしも因果関係を示したものではないことに留意することが必要であり,データから読み取れる内容と実際の状況とをよく照らし合わせて分析する必要がある。
とちゃんと書いてる。
どうしてこれを「ポイント」のほうに書かないのかなぁ?
因果関係がないというよりは、親の状態という隠れた変数にコントロールされているケースだと思うんですけどね。今回の話は。見出しは読者にとってウケがいいことが大事ですから全く別の話で、今時新聞だけがメインの情報源というような情弱にまともな統計の読み方なんか期待するのがムリってもんでしょ……
そう、報道内容を読むと「親の経済状態が」という話になります。でも、ヘッドラインは重要で、「今時新聞だけがメインの情報源というような・・・」といっても、議員さんとかは新聞報道をベースにすることが多いですから(^_^;)
ウケをよくするために「親の差」と書くより「保育所と幼稚園の差」と書いた方がいいという判断は多分妥当だと思います。こんな記事を読むのはおそらく親の立場の人で、「親の差」だと自分の責任になるけど、保育所と幼稚園の差なら自分の責任が薄れますから。みんな自分が責められるのは嫌い。