トップページ > 落伍弟子の日記 > 2010年 

コメントについてのお願い

ご不便をおかけしますが、コメントは
 コメントのページ
からお願いします。システムの制限事項なんです。

【追加】
 NetCommons 2.3.2.0にバージョンアップしたので、各日誌記事に Twitterとfacebookのアイコンが付きました。 twitterやfacebookのIDをお持ちの方はこのアイコンからつぶやいたりできます。
 
2010年
2010年分 >> 記事詳細

2010/03/21

「非実在青少年」問題

Tweet ThisSend to Facebook | by:落伍弟子
なぜこれがPTAネタなのかというと、私の嫌いなPTAの側面がはっきりと表れているからです。
偽善者と「おふだ」をおでこに張って歩いているような、いやーな側面がここにあるからです。


■社団法人 東京都小学校PTA協議会 公式ブログ
 2010.03.16 Tuesday
 青少年健全育成条例改正案の成立に関する緊急要望書を提出
 http://ptatokyo.jugem.jp/?day=20100316

この条例改正案は、だれもが「ネタ」だとおもったくらい馬鹿げており、成立するとは考えない憲法違反の条例案でした。しかし、大まじめであり、成立したならば甚大な影響があることを、この条例案作成者は隠していたとしか思えない方策をとっており、かつ、その根拠は作成者たちの思い込みであり、「エビデンス不要」といい切っている人たちでした。
 出版社、流通商社やプロバイダの本社機能が東京一極集中しているなか、東京都の条例は、法律とおなじ効力をもつことを改正案作成者はねらっていたのでしょう。これは、「第28期東京都青少年問題協議会 第8回専門部会」の議事録に

また、補足的にも書いてありますが、日本フランチャイズチェーン協会加盟店、大手コンビニエンスストアでは自主規制を、フランチャイズチェーン独自でやっているんですけれども、そこにおきましても、各県や東京都で個別指定した図書類及び東京都の条例の表示図書類というのは取り扱わないということになっております。

と書かれていますから、東京都の条例の特殊性を知っていたはずです。
 また、第9回議事録には、

国会がやらないなら都がやるというのが、子どもを守る責務を有する都としてあるべき姿勢ではないかというのが私の考えてございます。

という発言もありますし。
 ちなみに、この第8回の議事録はぜひ読んでおかれるとよいと思います。いかに今回の条例案が「ファシズム」によって立案されたかがわかります。とくに26ページは必読です。前衆議院議員である保坂展人氏の国会質問での様子を部会長自身が捻じ曲げて紹介しています。
 この議事録は下に書いた、「第28期東京都青少年問題協議会議事録」からPDFで公開されています。

 この問題を的確にまとめて記事にしたのが、Gigazineの記事です。Gigazineのまとめは長いですが、その歴史的背景も書かれており、さすがGigazineの記事といえます。

■Gigazine 2010年03月19日 08時25分31秒
 「非実在青少年」問題とは何なのか、そしてどこがどのように問題なのか?まとめ
  http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100319_hijituzai_seisyounen/

Gigazineの記事だけでは一方的だと思う方は、日経ITProで公表された松浦 晋也氏の記事が参考になると思います。

■ITPro 緊急!東京都が児童ポルノ規制の美名の下、思想統制への道を開こうとしている
 http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100317/1023686/

松浦氏の記事の最後にある
 
そして、何よりも私が悲しむのは、真剣に児童ポルノの害悪を考えている人々が、このような憲法違反の条例改正を後押ししていることだ。善意と正義感にから始まった行動が、結果としてファシズムの推進となってしまうことを、私は深く憂慮する。

よりも、こういう行為がファシズムであることに気づかない人たちを巻き込んでいる「PTA役員」が存在できることが怖いのです。
 ちなみに、最初にリンクをかいた東京都小学校PTA協議会公式ブログからリンクされている、東京都の条例改正案をみてください。

■東京都青少年の健全な育成に関する条例(一部改正)
 http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/02/20k2h102.htm

【概要】
 青少年の健全な育成を図るため、児童ポルノの根絶及び青少年をみだりに性的対象とする図書類を青少年に閲覧等させないための措置に係る都・事業者・都民の責務等を規定するとともに、青少年のインターネット利用環境の整備に関する規定を改める。

(例)
児童ポルノの根絶等に係る責務を規定するほか、青少年をみだりに性的対象とする漫画等のうち著しく悪質な内容のものを、青少年への販売等を規制する「不健全図書」の指定対象に追加する。
都が青少年の所持に適した携帯電話を推奨することに関する規定を設ける。
保護者による携帯電話のフィルタリング解除の厳格化に関する規定を設ける。

この東京都のページには、改正案そのものはありません。この概要からは、改正反対派が反対する理由は不当なものだと誤解するでしょう。そういう誤誘導の意思があったと「第28期東京都青少年問題協議会議事録」から読み取れるからです。

■第28期東京都青少年問題協議会議事録
 http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_28ki_menu.html

■「メディア社会が拡がる中での青少年の健全育成について」答申
  http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/28toushin.pdf

19:19 | 投票する | 投票数(0) | コメント(2) | PTA
コメント
落伍弟子2010/10/03 03:10:35
Commented by santa at 2010-03-23 09:37

「図書館戦争」にも善意のPTAが暴走して焚書しようとしているのに子ども達自ら抗議するという話がありました。自分が善意だと思い込んでいる人ほど始末が悪い者はない典型例。
落伍弟子2010/10/03 03:10:49
Commented by ji3faf at 2010-03-23 20:07

宗教なので、「自分たちが正しい。反対する人は神をも恐れぬ不届き者」という感覚なんでしょうね。しかしその感覚が、実は民主主義の根幹を揺るがす感覚なのだということを理解してもらわないと。
 これは自戒をこめて書いてます。ときどき「自分の勝手な思い込みで話をしていないか?」と自問自答します。で、恥ずかしい思いをしょっちゅうしてます^_^;