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2009/06/25

なんのための全国テストなのか

Tweet ThisSend to Facebook | by:落伍弟子
やっぱり,という現象がでてきた。

■橋下知事、府奨励の反復学習「やらない首長落選させて」
 朝日新聞 2009年6月23日14時41
 http://www.asahi.com/politics/update/0623/OSK200906230054.html
大阪府の橋下徹知事は23日、公立小中学校の学力向上策として府教育委員会が提唱する反復学習について「やった所、やらなかった所の情報をオープンにする。やらない所の市町村長は選挙でどんどん落としてもらいたい。それしか教育が変わる方法はない」と報道陣に発言した。

橋下知事は,学力向上の「学力」とは何かを勘違いしているのではないでしょうか?
全国学力テストの成績が悪いから,その成績を上げるのが知事の仕事なのでしょうか?
 それよりも,生きる力を育てるために,「反復学習が必要な時期がある」というのであれば理解できますが,知事の思いに従わない教育委員会を指導できるように地方自治体の首長の首を挿げ替えろと主張するのは,教育への行政介入に他なりません。
 それよりもっと重大な問題が,反復学習には潜んでいるのです。

■“10歳の壁”を乗り越えろ ~考える力をどう育てるか~
 クローズアップ現代 6月18日(木)放送
算数の場合、計算は得意でも、文章題になるとできないケースが目立つ。背景として、ドリルに依存した学習スタイルや、家庭での会話の減少によるコミュニケーション能力の遅れなどが指摘されている。

つまり,反復学習では反応速度は向上するけれど,「問題の意味を理解できない」「問題意識そのものを持てない」という「考える力」を育てられないのです。

 子どもにとって,反復学習は「ゲーム」になっていくでしょう。点数が付けば,よりいっそう励みになるでしょう。でも,それを応用できなければ,役に立たないのです。計算ミスするなら,電卓を使えばよいし,漢字がわからなければ電子辞書を使えばよいのです。学校のテストでは持ち込み禁止でも,ビジネスの世界に「持ち込み禁止「カンニング禁止」はありません。持てる人脈やツールを「使いこなす能力」が武器になるのです。
そして,そういう能力を育てるための教育をすべきなのに,それには言及されていない。

 PISA型学力測定や,全国学力テストの本来の位置づけを考えるのが,政治家の務めではないでしょうか?
序列を問題にしたり,組合を問題にするという次元ではなく,
  どんな能力を次世代の子どもに持って欲しいのか
  そのためには,どんな教育方法,教育資源が必要なのか
を整備するのが政治と行政の仕事でしょう。
 もういちど言います。ビジネスの世界では, カンニングは当たり前です。持ちうる情報収集能力をメいっぱいつかえることが,ビジネスマンの能力です。 

12:33 | 投票する | 投票数(0) | コメント(5) | PTA
コメント
落伍弟子2010/10/17 17:04:15
Commented by 金矢 良β at 2009-06-25 15:25

カンニングが言い当てている表現なのかどうかはわかりませんが,目の前の問題に対し,持てる人脈やツールを使いこなして最適と考えられる解決法で臨機応変に処する,すなわち通称「PISA型学力」こそが「確かな学力」であり「生きる力」の中核だと思います。
落伍弟子さん,知事選に出るなら全面的に応援しますよ。いや,文科大臣目指して国政の方がいいか。(笑)
落伍弟子2010/10/17 17:04:28
Commented by ji3faf at 2009-06-25 22:11

>目の前の問題に対し,持てる人脈やツールを使いこなして
>最適と考えられる解決法で臨機応変に処する

そうです。もっていないものは,もっている人が誰かを探して頼む。その人脈の作り方や頼み方とか,その前段階としての情報収集,情報整理,自分の知識を蓄えて整理する,というのが大事であって,記憶力の訓練が「学習」だとは思いません。「勉強」だとはおもいますが,それはその後の人生に役立つ力とはなりえないと思います。
 「学習する力」が本当に必要になっているのにね。ノートの書き方を戦線がみるのは,いい方法だとおもってます。
 私も新入社員には,「とにかくメモしろ」といい続けました。そのうちに整理する方法が身につきます。できなきゃ後で苦労するだけ!(^^)!
 冷たい上司でした。
落伍弟子2010/10/17 17:04:56
Commented by ji3faf at 2009-06-25 22:11

わたしゃテキトーに「臨機応変」というか,行き当たりばったり人生ですから,政治には向いてません。
 ただの「文句いいのおばさん」と同じです。ただ,京都の「いけずおばさん」にそだてられてますので,「へんくつ」ではあります!(^^)!
落伍弟子2010/10/17 17:05:10
Commented by kobaken at 2009-07-06 11:38

はじめまして。小林と申します。
いつも拝見させていただいております。
今回の記事は非常に共感したので思わずコメントさせていただきました。
「ビジネスの世界では,カンニングは当たり前です。」
まさしくそのとおりだと思います。
落伍弟子2010/10/17 17:05:22
Commented by ji3faf at 2009-07-06 14:01

生きる力をつけるための「学習能力」を身につけさせるのが,教育の基本だと思うわけです。だからノートのつけ方の指導とか,掛け算の九九を暗記させるとかは必須だと信じてます。
 でも,それと反復学習(これは,反復「訓練」だと言い換えた方がよいと思います)とは違います。計算間違えそうなら電卓を使えばよいのです。暗算では桁があっていそうか,とかで十分じゃないですか。いくら単語を覚えても会話できないとか,計算できても式を立てられないとか,根本的なところでボタンのかけ違いがあると感じています。